あるふぁ通信令和3年11月号

2021年11月9日

晩秋の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。

今回のあるふぁ通信では、足底のアーチ(土踏まず)について理学療法士の齋藤がご説明いたします。

早速ですが、皆さんはご自身の土踏まずをまじまじとご覧になったことはありますか?
もしくは「扁平足で困っている」「自分は甲高なんだよね…」などとご自身の土踏まずのことで悩んだ経験はありますでしょうか。
扁平足、甲高などといいますが、専門的にそれがどんな状態のことを指すのか、なるべくわかりやすくご説明していきたいと思います。

まず、ご自身の足を動かしながら、できれば触りながら感じていただきたいのですが、足の甲は意外と捻れませんか?
手ほどではないものの、足もかなり細かい動きができるようになっていますよね。
それを可能にしているのは、足の構造、つまり構成する骨の数の多さや靭帯、筋肉などが複雑かつ緻密、精巧に組み合わさっているためです。

その構成する要素のバランスが崩れた状態が扁平足、甲高といった状態を作り出しています。
ちなみに、足首からつま先まで片足でどれだけの数の骨があるか想像がつきますか?
実は片足だけで26個(種子骨という骨を含むと28個)もあります。
全身の骨の数の合計が約200個なので両足で約50個以上、身体の1/4の骨が足の骨、ということになります。

余談ですが手首から指先までの骨の数は片手で27個、両手で54個なので手足の骨だけで身体の半分以上の骨があることになります。

話を戻します。土踏まずは専門的な言葉でいうと“内側縱アーチ”といいます。これを構成するのは足の骨の中でも踵骨、距骨、舟状骨、内側楔状骨、第1中足骨という5つの骨です。これに5つの靭帯、8つの筋肉、足底腱膜が関わりアーチを作り出しています。
土踏まず1つ形作るのに19もの要素が必要となります。このちょっとしたアーチを作るためには多いような感じがしませんか?
しかし、その分、大事な機能が備わっている、ということになります。

特にこの内側縱アーチのアーチの高さが減少した状態を扁平足といいます。
扁平足の原因としては、アーチを形成する筋肉の筋力低下、年齢による腱の変性や体重の負荷、活動量の多い方(プロのスポーツ選手レベル)では長時間の立位や過度の運動でも引き起こされることもいわれています。

私達が日々関わる利用者様においては、先に挙げた3つ、筋力低下と年齢による腱の変性、体重の負荷が原因である場合がほとんどであるように思います。
歩行機会の減少など、運動不足が原因となりアーチを構成する筋肉の筋力低下が起き、その状態でさらに年齢による腱の変性、体重負荷が加わると確かにアーチは潰れてしまいそうですよね。
もうひとつ、内側縱アーチが逆に高くなりすぎてしまった状態をハイアーチもしくは凹足(おうそく)と呼びます。甲高のことですね。
この原因としては、ハイヒールなど極端に踵の高い靴や自分に合っていない靴を履き続けること、遺伝、過負荷な運動による筋肉の酷使、疾患による筋活動の異常などが挙げられます。

では、これら扁平足とハイアーチ、アーチの形状で一体どんな問題が生じてしまうのでしょうか。
それはまた次回のあるふぁ通信でお話ししたいと思います。

本格的な寒さに向かう時節、風邪など召されませぬようご自愛ください。



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